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マザーアース「愛の誕生」を味わう



本作品は、フランスより同国最高勲章である「レジオン・ドヌール勲章」を授けられた松井守男画伯作であり、松井画伯ご本人がマザーアースの活動に共感を持ち、支援の意味を込めて描かれたオリジナル作品です。




以下、本作品の評者として、松井画伯と30数年にわたって身近な位置から見続けてきた私なりに、美術史的な観点を含めて評論してみたいと思います。




マザーアース「愛の誕生」 2019.MORIO MATSUI


ご覧の様に、抽象画という様式から本作品を味わう上で作品のモチーフとして認識できるのは、中央に描かれた富士山とそれを取り囲むブルーの描線、下地の白、「愛」という赤系色の文字などであり、特徴的なのは、画伯の特徴的な画法である描線の「ブルー」という色自体です。


この「ブルー」という色は、2017年に制作された「和平ブルー(現在はマツイブルーと改題)」というシリーズ作品の中で表現されている「和平」という形而上の概念を、「ブルー」といった色をモチーフにして描かれていることと同じ意味で使われていると考えられます。その上で、「愛」という文字が、赤系色で「富士山」の上に描かれていることにも注目してみたいと思います。


まず初めに、この「ブルー」という色がなぜ「和平」という概念を表現しているのかと言うと、以下の解説(*)にある様に、聖母マリアを包んでいるマントが、常に「ブルー」で表現されていることに因んでおり、その「ブルー」を使うことによって、聖母マリア的な慈愛そのものを表現していると考えられます。



つまり、和平をなし得るのは、父性的な力ではなく、母性的な愛という手段がふさわしいということを象徴するために、「ブルー」という色が用いられていると理解できます。



また、過去の作品例から判断して、富士山が象徴しているのが「日本という国」そのものを表している事、「愛」という文字の赤系色も、神の慈愛をイメージさせてくれます。同じ様に、聖母マリアを描くときには「白百合」も同時に描かれることと同じ様に、白色の下地によって本作品の主題を補強していることに通じています。


この様なモチーフを考えあわせて本作品のマザーアース「愛の誕生」を総体として評論しますと、松井画伯ご自身の想いとして、


「幸多き平和な社会を築くのは、母性的な慈愛に満ちた活動であり、日本全国に愛が行き渡る様に、マザーアースの活動に期待します。是非、日本の聖母マリア様になって下さい。」


というメッセージを表現した作品であると考えられます。是非、この作品を身近に置いていただき、この作品から醸し出される「愛の波動」を体感していただければと思います。


評者:桝井喜孝(アトリエ・マツイ専属学芸員)


(*)絵画に現れた聖母マリア

ラファエロ「システィーナの聖母子」より


聖母マリアの青 絵画のアトリビュート


聖母マリアに限らず、聖書やキリスト教に関連する宗教画・絵画には、約束事として、特定の聖人や登場人物に密接に結びつけられた持ち物や小道具、背景や添え物が描かれる。これをアトリビュート(attribute)という。持物(じぶつ)とも呼ばれる。




聖母マリアのアトリビュート(attribute)としては、天の真実を意味する青色のマント(ヴェール)、純潔の象徴としての白百合(おしべのないユリの花)、神の慈愛を表す赤色の衣服が代表例として挙げられ、聖母マリアの象徴として数多くの西洋画に描かれている。(以上、ネットより)





マツイブルー(和平ブルーより改題)

F60 油彩 2018.MORIO MATSUI  最初は、「和平ブルー」という画題が付けられていましたが、シリーズ作制作翌年の2018年になり、フランス政府より、マツイ画伯の特徴的な色であるので、「是非、マツイブルーと改題してほしい」との依頼を受けて、改題されたという曰く付きの作品です。

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